2016年09月20日

ある意味VR的な衝撃! 「よみがえれ!シーボルトの日本博物館」

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ミュンヘン五大陸博物館蔵 (C)Museum Fünf Kontinente

東京都江戸東京博物館(両国)で11月6日(日)まで開催の「よみがえれ!シーボルトの日本博物館」(一般1,400円)ブロガー内覧会に参加した。シーボルトといえば、日本地図を海外に持ち出そうとして失敗した「シーボルト事件」しか印象になかったけど、「文化相対主義」にかなり近い信念を持ち、日本に魅了されて、出島滞在を始めてから数カ月で、日本博物館(民俗学博物館)を故郷に開くと決意したらしい。合計約6年間の日本滞在を通じて漢方薬や歯磨き粉などの日用品、灯籠型の弁当箱やカツオ型の皿、鳴滝塾や商家の精巧な家屋模型、麦わら細工や小箪笥、蒔絵といった美術品から、振り袖や長崎くんちの法被、将軍家茂から贈られた刀、日本人の肖像画や動植物のスケッチなど6,000種類以上のグッズを集めまくり、その中から選ばれた約300点が今回の展示会場に並んでいる。日用品にさえ技巧や遊び心を散りばめた、当時の日本文化を見た外国人の驚きを、時代を隔てた日本人も追体験できる、ある意味VR的な意外性と衝撃を感じた展覧会だった!

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ミュンヘン五大陸博物館蔵 (C)Museum Fünf Kontinente

個人的にかなりおもしろかったのは、銅製卵焼鍋、持ち運び用の燗銅壺、屋外での酒宴に用いた弁当箱「四季草花蝶鳥翁散文蒔絵提重(さげじゅう)」、「鉄線蒔絵灯籠形弁当箱」、「船形漆塗弁当箱」、カツオを模した「魚型蓋物」といったグッズで、魚型蓋物に、当時と同様に刺身などを盛って食ってみたい! と思った。他にも、展示されてないけど鶴形の容器もあったらしい。船形漆塗弁当箱は二段のお重と小皿や酒器を乗せて、庭の小川に浮かべて流していたそうで、なんだそりゃ、流しそうめんの100億倍楽しそう。なんで現代では廃れてしまったんだ、ぜひぜひ復活させてほしいわ。

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ミュンヘン五大陸博物館蔵 (C)Museum Fünf Kontinente

あと、黒字にカラフルな花や鳥を描いた「花鳥螺鈿シガレット箱」、「花鳥螺鈿嗅ぎ煙草入」は鮮烈で、こんなスマホケースがあったら欲しい!

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ミュンヘン五大陸博物館蔵 (C)Museum Fünf Kontinente

麦わら細工の「幾何学文六角皿」は、六角形に加工する技術が途絶えてしまい、城之崎の職人たちがミュンヘン五大陸博物館で実物を見学し、共同でなんとか再現して「城崎麦わら細工伝承館」に展示したところ、ミュンヘンからクレームがついたそうで、内覧会のギャラリートークを担当した江戸東京博物館の副館長が、商業利用ではないと説明して何とか納得してもらったとのエピソードも披露された。

他にも、持ち出しに失敗したと思われていた地図の複製「伊能特別小図写(西日本)」のような近年発見された資料、日本で事実上の夫婦生活を送っていたタキへの愛情を綴った手紙など、見所が多すぎて紹介しきれない。

会場の展示にもある通り、シーボルトは、民俗学博物館設立の計画草案で「対象とする民族を野蛮な、未開の人びとと見なすのではなく、(中略)同等の権利を有する民族共同体の一員として容認させるべきである」と記していたそうで、あくまで日本人と日本文化を中立的かつ対等な目線で観察していたのが好印象だった。

展示品を見ていると、オタク的なコレクター魂を感じて、親近感もわいてくる。学位の授与と引き替えに日本人の門下生を酷使して植物などを納めさせたり、将軍に謁見するために江戸に向かって移動している最中でもすぐに籠から降りて採取やスケッチを始めるので、「私の籠にはメモ帳とペンしか乗っていないから、籠担ぎは楽だったろう」と話していたそうだ。そんなシーボルトの生き様やコレクションについて熱く語りまくる副館長を始めとする、研究者の熱意が詰まった展覧会をぜひ見に行ってほしい!

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ミュンヘン五大陸博物館蔵 (C)Museum Fünf Kontinente

よみがえれ!シーボルトの日本博物館
http://siebold-150.jp/


posted by 豆ジャム at 12:19 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(1) | 展覧会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月07日

超絶技巧と遊び心が詰まった「驚きの明治工藝」

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自在龍(宗義)、色絵金彩鴛鴦置物(宮川香山)、蒔絵螺鈿芝山硯屏(易信)

9月6日(火)、「驚きの明治工藝」展特別内覧会で、リアルなカラスや鷹、ディフォルメされた巨大な魚、全長3mの龍など、今までに見たことがない自在置物や、小さくて精巧な根付、ビロード友禅など、江戸末期から昭和初期までの工芸品約130点を鑑賞した。なんと、すべて台湾人コレクターの所蔵品で、日本に里帰りさせたいとの希望により実現したそうで、上野での会期終了後、京都や埼玉に巡回する予定となっており、一部を除いて写真撮影が可能。

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自在烏(明珍宗春)、自在鷹(板尾新次郎)、自在鯱(無銘)

まず、入り口に展示された「自在龍」(宗義)に続き、ポケモンに出てきそうな「自在鯱」(無銘)にびっくり! 2014年に開催された「超絶技巧!明治工芸の粋」でリアルな蛇や伊勢海老の自在置物を見たけど、これほど大きなサイズでユーモラスな自在置物を目の当たりにしたのは初めての経験だわ。

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蜆根付(平井汲哉)、竹塗煙管筒(橋本市蔵)

また、「蜆根付」(平井汲哉)はシジミの貝殻からはみ出すヒダの質感が本物そっくりだし、「竹塗煙管筒」(橋本市蔵)は本物の竹にしか見えないけど、なんと紙に漆喰を塗っているとのことでびっくり!

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狸置物(大島如雲)、猫置物(善拙)、指月猿香合(藻晃)

ほかにも、織物で風景画を再現した「天鵞絨(ビロード)友禅」や、細かい細工が施された小さな根付、底面の肉球などが見られるよう鏡を設置した「狸置物」(大島如雲)、右腕をぴーんと伸ばした「指月猿香合」(藻晃)などのかわいい作品もあり、超絶技巧はもちろんだけど、遊び心にあふれた展示物が多くて楽しかった!

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群猿根付(正照)、三猿根付(小林盛良)

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邯鄲夢根付(無銘)、眠り羅漢置物(加納鉄哉)

会期:2016/9/7(水)-10/30(日)
休館日:月曜日(9月19日、10月10日は開館)、10月11日(火)
開館時間:午前10時-17時 ※入館は午後4時30分まで
※10月21日(金)、22日(土)は、上野「文化の杜」TOKYO数寄フェス(仮称)開催のため、午後8時まで臨時夜間開館(入館は午後7時30分まで)。
会場:東京藝術大学大学美術館東京藝術大学大学美術館(上野)
入場料:1,300円



「驚きの明治工藝」展公式サイト
www.asahi.com/event/odorokimeiji/

驚き!台湾人コレクターが所蔵する明治工藝が日本で“里帰り”展示
http://blog.taiwannews.jp/?p=33923
「美しい作品が人々に知られる事がなく隅に置かれている事に気がつき、私はこれらの作品と作者に、『いつの日か輝きを取り戻し、あるべき場所で地位を確立させる』と約束した。今日はこの約束を果たす事が出来たのだ。この作品達はやっと日本に里帰り出来た」

2014年04月27日
日本人なら死ぬ前に一度は行くべき!
「超絶技巧!明治工芸の粋」展web特別鑑賞会レポート

http://mamejam.seesaa.net/article/395713301.html


posted by 豆ジャム at 20:16 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 展覧会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月05日

【告知キャンペーン】没後110年 カリエール展

象徴主義の画家、カリエールの展覧会に行きたいなと思っていたら、告知キャンペーンの案内があったのでさっそく掲載。

「個人所蔵作品および油彩画を中心に、カリエールの作品88点をご紹介いたします。そのうち、プライベートコレクション作品70点については、今回の展覧会でしか観られない」そうで、貴重な機会になりそう。

■□■   「没後110年 カリエール展」     ■□■

会 期  2016年9月10日(土)〜11月20日(日)
休館日  月曜日(ただし9月19日、10月10日は開館、翌火曜日も開館)
会 場  東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館
     (〒160-8338新宿区西新宿1-26-1損保ジャパン日本興亜本社ビル42階)
     http://www.sjnk-museum.org/
開館時間 午前10時−午後6時、金曜日は午後8時まで(入館は閉館30分前まで)
観覧料  一般:1,300円(1,100円)、大・高校生:800円(650円)※学生証をご提示ください。
     シルバー<65歳以上>:1,100円 ※年齢のわかる物をご提示ください。
     中学生以下:無料 ※生徒手帳をご提示ください
     障害者:無料
     ※障害者手帳(身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者手帳)のご提示により
      ご本人とその介護者(1名まで)は無料。ただし、被爆者健康手帳をお持ちの方は、
ご本人のみ無料。
※( )内は20名以上の団体料金 および前売り料金
※10月1日(土)はお客様感謝デー(無料観覧日)


posted by 豆ジャム at 12:25 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 展覧会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする